内観(Naikan)とは
-企業研修・人間関係改善・自己成長を支える日本発の内省メソッドー
内観がいま注目される理由
内観とは、過去の出来事を「事実ベース」で振り返り、自分の思考・行動パターンを深く理解する内省メソッドです。
とくに近年、次のような理由で注目を集めています。
- 外側の問題ではなく“内側の思考パターン”にアプローチできる
- 仕事・人生の迷いを整理でき、進む方向が明確になる
- 親子・家族・パートナーなど「最も身近な人との関係性」から深い気づきが起こる
- 経営者・管理職の参加が年々増えており、企業研修としての導入が急増している
- 禅・ヴィパッサナー・マインドフルネスなど、他の瞑想法と併用することで相乗効果が高まる
内観のはじまり
内観(Naikan)は、今から約70年前、1950年代に 吉本伊信 先生によって体系化されました。仏教の自己観察法を基盤としながら、宗教色を取り除き、誰もが実践できる内省法 として確立されたものです。
その後、内観は人間関係に悩む個人だけでなく、企業の人材育成、精神科医療、薬物依存の回復支援、さらには受刑者の更生教育へと広く活用されるようになりました。とくに矯正分野では、約6,000人を対象とした調査で、再犯率が1/3~1/5に低下する という顕著な成果も確認されています。
こうした長年の功績により、吉本先生は「紺綬褒章」「藍綬褒章」「勲五等瑞宝章」を受章。
内観は今や世界へ広がり、30万人以上が体験する国際的な内省メソッド へと発展しています。



■刑務所における内観実習者と出所後の再犯率(出展:「内観法 四十年の歩み」より)
内観のやり方 ― 3つの視点から自分を見つめる
内観では、特定の相手(例:母、父、配偶者など身近な方から順番に)との関係を、
次の 3つの視点 から丁寧に振り返ります。
- してもらったこと
- してあげたこと
- 迷惑をかけたこと
感情や評価にとらわれず、“事実ベース”で自分の過去を整理することで、
無意識の思い込みが外れ、感謝・気づき・心理的解放が自然に起こります。
世界へ広がる内観 ― 欧米・アジアでも注目
日本各地(東京・安曇野・名古屋・北陸・瞑想の森ほか)に加え、
アメリカ・ドイツ・オーストリア・中国・タイなどに研修所が設立され、
「Naikan therapy」として国際的にも高い評価を受けています。
◎企業研修として人気が高まる理由
内観は、今もっとも注目されている メンタルヘルス/人材育成プログラムのひとつです。
- 管理職・経営幹部の「自己理解」「思考のクセの可視化」が進む
- 組織内のコミュニケーション改善
- 職場のトラブル・離職の根本原因(思い込み・感情の溜め込み)を解消
- 自発的な行動・責任感の向上
- 外部研修では得られない“心の基盤づくり”ができる
◎他の瞑想・リトリートとの相乗効果
近年、禅僧やヴィパッサナー瞑想者が内観を受けるケースが増加しています。
その理由は以下のとおりです。
- 禅・ヴィパッサナーは「今ここの洞察」
- 内観は「過去の整理」
→ 両者を組み合わせることで心の“地ならし”が進み、瞑想の深まりが加速
円覚寺(鎌倉)の僧侶や、ヴィパッサナー瞑想者も内観を取り入れており、
「過去の整理ができていないと今に集中できない」という理由から推奨されています。
内観の効果 ― 人間関係・仕事・人生の“根本”が変わる
多くの体験者が共通して実感している変化を以下にまとめます。
◎内観の主な効果
- 人間関係の改善(親・家族・パートナーとの関係が柔らぐ)
- 心の整理(過去を事実として理解し、感情が軽くなる)
- 人生の方向性が明確になる
- 自己肯定感・自己受容の向上
- 無意識の思い込み・行動パターンに気づける
- 仕事のパフォーマンス向上・リーダーシップの発揮
◎体験者のリアルな声(抜粋)
- 忙しさに流されていたが、内観で“本当に大切なこと”が見えた
- いろんなことに自然と感謝ができるようになった。
- 仕事の判断が冷静になり、チームがまとまり始めた
- 過去への誤解がほどけ、親との関係が変わった
よくある質問
Q1:どんな人が内観に向いていますか?
A:特別なスキルは不要で、“自分の過去を客観的に見つめ直したい”と思う方なら誰でも大丈夫です。
会社員、経営者、教員、医療職、主婦、学生、スポーツ選手、歌手、僧侶、瞑想者など、多彩な方が内観して変化を実感されています。
Q2:自己啓発セミナーやカウンセリングと内観の違いは何でしょうか?
A:答えを外からもらうのではなく、“自分の中から気づき”が起こる点が大きく違います。
誰かにアドバイスされるのではなく、自分自身の視点で深い洞察が得られます。
Q3:内観すると、どんな“気づき”や変化が得られますか?
A:内観では、忘れていた出来事や支えてくれた人の存在に気づき、ものごとの見え方がクリアになる感覚が生まれます。
親や家族、上司や同僚や部下への捉え方が変わったり、自分が無意識に抱えていた思い込みがほどけたりすることで、
気持ちが軽くなり、日常の選択や人との関わり方も自然と変わっていきます。
「前より生きやすくなった」「心が静かになった」と感じる方がとても多いです。
Q4:企業研修として効果がありますか?
A:非常にあります。
自己理解が深まることで、感情の扱いが上手になり、コミュニケーション改善・離職率低下などの効果が見られます。
管理職や経営者の参加も増えています。
Q5:感情が溢れてしまったりしませんか?
A:あります。でもそれは自然で、とても大切なプロセスです。
お一人ずつ個別の静かな環境を用意していすので、涙が出ても安心して続けられます。
Q6:親、パートナーとの関係に悩んでいるのですが、役に立ちますか?
A:はい。内観が最も力を発揮するのが“親子関係や夫婦関係の整理”です。
これまでの参加者の多くが「母(父)や夫(妻)への見方が変わった」「関係が楽になった」と語っています。
Q7:何歳から参加できますか?年齢制限はありますか?
A:基本的に“高校生以上”を対象としていますが、本格的な内観では小学校高学年から参加する方もいます。
上の年齢は特に制限がなく、80歳を過ぎてから取り組む方もいっらしゃいます。
静かに座って振り返る時間が中心なので、体力の有無に関係なく安心して参加できます。
Q8:禅や瞑想をしています。内観と併用できますか?
A:むしろ併用すると相乗効果が大きいです。
禅やヴィパッサナーは“今ここの気づき”、内観は“過去の整理”。
過去を認めて肯定しなければ、過去という土台の上にある今を肯定することはできません。
両方が揃うと、より深い静けさと理解が生まれます。
Q9:内観は宗教と関係ありますか?
A:まったくありません。
宗教色を取り除く形で体系化された“内省の技法”です。心理学や教育の分野でも広く採用されています。
Q10:どれくらいの期間で内観するのですか?
A:内観は“1週間かけて深く取り組む”のが基本の形です。
ただ、仕事や家庭の都合で1週間の参加が難しい方も多くいらっしゃるため、初めての方には 1日内観 や、複数回で行う 短期内観コース など、無理なく取り組める形をご用意しています。
まずは、定期開催している1日体験から始めても、しっかりと心の整理や気づきを感じていただけます。
